女は、神が遣わした刺客?パンドラの箱の中身

鍵付の箱

パンドラの箱の話は有名です。絵画にも題材と
して使われています。

開けてはいけない、触れてはいけない等の禁じ
られた行為などに諺的に広く使われていますが
案外「元ネタ」は知らない人が多いです。

タイトルの「女は神が遣わした刺客?」なんと
も物騒なネーミングですが、一体何なのでしょ
うか。

箱の中身と共に、絵画を鑑賞しながら中性的な
フェミニン男子が中性的なパンドラを演じなが
ら、ちょっと変わった視点でひも解いてみたい
と思います。

 

パンドラとは何か。

Pandora

ジュール・ジョセフ・ルフェーブル「パンドーラ」

こちらの作品では「パンドーラ」ですが日本語
では「パンドラ」でもよいそうです。
箱を開ける前なのか開けた後なのか気になると
ころです。

さて、パンドラとはなにか。
ギリシャ神話の一つで、人類に災いをもたらす
為に作られ送り込まれた人類初の「女性」だ、
そうです。

女が災い~失礼しちゃうわね!
ギリシャ神話の話もそうですが、アダムとイブ
の話しでも女が悪い的な話があるのは一体何な
のでしょうか。

 

パンドラは神から人類への贈り物?

ギリシャの神殿

そもそもの話しは、プロメテウスという神様で
す。プロメテウスは人類に「火」をゼウスにな
いしょで分け与えてしまいます。案の定人類は
火を使って悪さを始めてしまいます。

そして怒ったゼウス(一番偉い神)は、人類に
災いをもたらす為に男達を惑わす「女」という
物を配下の神々作らせ送り込ませます。

この時点では人類は男だけ。ん、嫌だなそれ。

「女」を制作依頼されたヘーパイトスは、粘土
で仲間の神々を参考に「アテーナ」から機織り
などの仕事の技術、「アプロディーテ」からエ
ロティックな魅力、「ヘルメース」から犬の様
な狡猾振る舞い(なんじゃそれ)を写し取って
「女」というものを作りました。

地上の男共を惑わす容姿のネンドロイドです。

そして、ゼウスは、更に様々な災厄の詰まった
送りもの「パンドーラ」をを持たせて人類の元
に遣わします(メチャ性格悪っ)

これがパンドラです。
「箱」と表現しますが、甕のような物という説
もあります。本来の意味は「全ての贈り物」と
いう意味なのですが、遣わされた「女」の名と
して定着してしまいます。

ゼウスの陰謀を知ったプロメテウスは、受け取
るな~と言ったのですが地上の弟は、パンドラ
の美しさに勝てずに嫁にしてしまいます。

ゼウスの怒りは、プロメテウスにも。彼を鎖に
繋ぎ禿鷹に肝臓を突っつかせます。
う~んサディスティックですね。しかもそれを
3万年!ひつこいな~(因みにプロメテウスも
神様なので不死なんです)

 

人類への贈り物はハニートラップだった?

ハエトリ草

皆さんご存知「ハエトリ草」英文では、ビーナ
スフライトラップというそうです。
まあ、そこまで言えば賢明な大人の読者は理解
できると思うので説明はいりませんね。

男ばかりの人類社会に、フラフラッと裸の女が
姿をみせれば「お~」となります。

神話の中では、プロメテウスの弟(神)が、兄
が忠告したのに、パンドラの美しさに負けて娶
るのですが、一応人類に遣わされた最初の女性
ということです。

正にハニートラップです。

男心を惑わすだけなら、まだいいのですが、パ
ンドラは、やってしまいます。好奇心から開け
たらいかんで~と言われていた箱を堪えきれず
開けてしまいます。

しかしこれも初めからゼウスに仕組まれていた
こと。開けるだろうが前提なんですね。

パカッ・・・どわ~っと災難が飛び出します。

病・争い・不安・裏切り・悲しみ・・・
様々なネガティブワードがバズります。

「え~なんやコレ!」
パンドラは慌てて箱を閉めます。すると、最後
に箱の中に希望が残りました。
(ここは諸説あり、最後に希望が出たとも)

こうして人類は、美女の色香に負けたために苦
悩と混沌の日々を送る事になりましたとさ。

と、ここまでが大ざっぱなパンドラのお話。

「パンドラの箱を~」的によく使う言葉ですが
「ハニートラップにひっかかった~」だと、普
通言えないですよね。
中国や韓国で引っかかった人を実際に聞いてい
るので「神話みたい」と思っちゃう(後で災厄
が溢れ出すのも同じ構図だし・・・)

さて、ここから、その後どうなっかのか、そし
てなぜ「女」が悪者なのか、考えてみますね。

 

神話の作者は女嫌いだった

女性・災害

ギリシャ神話は、ヘシオードスという人が編纂
したそうです(紀元前700年頃)

夢がないな~と思うかもしれませんが世界中に
存在する様々な神話も、口伝を元に誰かが編纂
して今に伝わっています。
もしかすると、本当の事かもしれないけど、単
なる作り話かも・・・

実は、神話の作者ヘシオードスは大の女嫌いだ
ったそうです。それで、とにかく女はアカン生
き物なんだと書き綴ったのでしょう。

ただ、男色好きとか世相がそうだとかじゃなく
嫁さんが悪女鬼嫁で女を悪者扱いにして憂さを
晴らしていたのかもしれませんよ。

しかし、古代ギリシャでは、男色が盛んだった
ので女に興味が無い人も居たかもしれません。
まして、世界最初の「女」というなら、それま
で男だけの社会だったと仮定したら、パンドラ
が現れても「なんやオマエ」と、釣れないとい
う事もあり得る。

せっかく「女」用意したのに惑わされない!

それじゃトラップも発動しません。
ゼウス危うし。

 

折衷案でパンドラを中性的にしてみた

「ゼウス様、人類は女体だからって引っかかる
とは限りません。いっそヘルマプロディートス
みたいに両性具有にしてみたら如何ですか。」

ヘーパイトスは、作成中のネンドロイドをちょ
っと加工して中性的に変えてみました。といっ
ても身体はそのままで、お上品なアレを追加し
ただけ。

ハイブリットなパンドラが完成しました。

という架空の話しを元に1枚の作品。

曖昧なパンドラ・中性的男性の絵

ジュール・ジョセフ・ルフェーブルが描いた、
もう一つのパンドラを元に描かれた作品。

モヤモヤッとした不気味な背景は、これから起
こる事を暗示しているのか起こってしまった後
なのか。恐らく恭しく箱を持っているとこを見
れば開ける前の様な気がします。
そして男だか女だか曖昧な姿の人物が、奇妙な
カオスを醸し出しています。

この作品、高さ2m弱なのでほぼ等身大に描か
れています(画像小さく荒くて済みません)
もちろん僕がモデルをした作品なのですが、あ
るアトリエで飾っていたら皆「ん?」と不思議
そうに眺めていました。

「股間を描かなければ女性みたい」
と、言う人が多かったみたいです。

 

男を虜にする魅惑は、女の優越感

実物を見たことの無い方の為、比較した画像も
ご覧ください。

中性的な油絵

比べてみると実に不思議な感覚になります。

描いた人の技術もさることながら、似せようと
必死にポーズを取るモデルも頑張ってます。
(こういう不安定なポーズはとても疲れます)

左は実物で女のパンドラ。実物も貧乳ですから
右と大差ありませんね。背は左より大きいです
が全体の雰囲気としては股間の差が大きく違う
だけに見えます。

手足の長さや肩幅はともかく、お腹のあたりが
似ているのが面白いですね。
若干、脚の運びが違うけど、紙で作った箱を持
ってリアルにポーズを取り、忠実に実在のモデ
ル描いているので原作の雰囲気が十分に出てい
ると思います。

これはこれでアリって感じじゃないかな。

女嫌いのヘシオードス君。さ~て、こんな姿の
パンドラが出てきたらどうする?
ソクラテスなら「儂はこっちがエエ」かも。
男(中性的だが)でも、男を惑わすかもよ。

女だけが男を惑わすものじゃなさそうです。
ケースバイケースですが、中性的だと両方とも
惑わすこともあり得ます。

パンドラのモデルをさせられ、自分が惑わす存
在になってみると、女性の気持ちが少し分かる
気がしました。

災厄と言われると嫌ですが、「惑わす」の方は
別にイヤじゃないんですよ。むしろ優越感みた
いな気分がします。これが女心ですかね。

悪気もなく見る者を虜にしてしまうパワーを兼
ね備えた女性の容姿は、まさに神の与えたもう
物なのかもしれませんね。

 

男尊女卑が強かった時代の産物

古代ギリシャでは、女は不浄のものとされてい
ました。

え?でも女性の彫刻もたくさんあるよね。
はい、あれは「神様」の姿。だから不浄じゃな
いんですよ(屁理屈やな)

西洋では、レディーファーストなんて言葉があ
り、女性が大事にされ強いような気がしますけ
ど、それは18世紀から19世紀にかけてそう
なったこと。それまでは、かなり男女差別が強
かったのが実態です。意外ですが、あのアメリ
カでさえ女性解放運動が盛んになんったのは、
19世紀末のことです。

女性が今の様になったのは、割と最近のこと。

かなり古い有史以前だと女性のシンボルを強調
した土偶や石像が出土しているので、洋の東西
を問わず女性に対して神秘的な存在として敬っ
ていたらしいのが確認されています。

いつからかは解りませんが、神話を形成する頃
は、すでに女性が卑しいものにされている。
キリスト教でも処女受胎などと非科学的な解釈
でイエスが生まれたとの表現もあります。

古代ギリシャでは、女性とのラブより美少年の
方が崇高で素晴らしいとされたのも男尊女卑の
影響があると思います。

男尊女卑の時代背景の中だと、パンドラ=人類
初の女性=人類に災いを運んだ。と、言っても
反論する女性も居なかったし、社会的にもしっ
くりくる話しだったのでしょう。

「女が悪い」とは、単純に神話的にパンドラの
話しを作ることで、疫病や災害、戦争などの災
厄を女のせいにして誤魔化していた。というの
が真相なのではないでしょうか。中性の魔女狩
りなんていうのもそうです。

 

パンドラの箱に残された物「希望は重い」

金属の鎧

さて、パンドラが迂闊にも開け放ってしまった
箱ですが、何か残っていましたね。

ここからは私見なのですが、僕は、先に飛び出
た物より、こっちが厄介だと思います。

「希望」

一件良い響きですが、僕は期待や希望というの
は、あまり好きじゃない。される分には応えよ
うと頑張ればよいのですが、それを他人に持つ
のは出来るだけ避けています。

なぜって?それは、重いからです。
それも鎧の様に重く簡単に外せない重さ。
「想いは重い」といえば、ニュアンスが伝わる
でしょうか。

相手に対する期待や希望というのは、自分では
どうする事もできません。

初めから希望や期待を抱かなければ、単純にラ
ッキーを受け取るだけで済みます。しかし、期
待を持ち叶えられないとガッカリします。

僕だって、人並みに時々他人事でガッカリする
事もあります(少ないけど)

ガッカリで済めば良いのですが、失望や恨みに
変質してしまう事もあります。

僕は「何事も人事を尽くして天命を待つ」が信
条ですから、出来る範囲で努力するクセがつい
ているけど、それを同じように周囲に押し付け
たら大変です。

でも、多くの人は他人に希望を望んでいないで
しょうか。そして、思い通りにならないと他人
のせいにしていませんか?
人だけじゃなく、家族、友人、会社、お役所、
国、世界・・・互いに希望を持ち、互いに失望
する。

希望の無限ループが人々を不幸にする?

これこそゼウスの仕掛けた巧妙な罠なのではな
いいでしょうか。

西洋は、2000年以上ある宗教の呪縛がから
逃れられずもがいているのですから、神話とい
うトラップというのもアリかもしれません。

 

まとめ

パンドラの箱に似た言葉で、禁断の果実という
のがありますね。こちらは、旧約聖書に出てく
る人類創世記の神話です。
科学が進歩した現代でも、こうした非科学的な
神話が日常的に出てくるのは、なんだか不思議
な気もします。

パンドラの箱に残った中身「希望」

希望について、好意的に解釈している意見の方
が多い気がしますけど、希望を叶える側に立っ
て冷静に考えてみると余計な重圧のような気も
します。

まあ、期待されないより良いのでは?という向
きもありますが、何か良い結果を出す人って、
別に期待されようが何だろうが結果を出してい
る気がするのは、気のせいでしょうか。

 

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