肌の色と光の関係。真の美白とは
美白ブームなのか、化粧品に「美白」という言
葉が多いですよね。みなさん、透き通るような
白い肌に憧れているみたいです。
その中には、ものすごく高価な商品や、ホンマ
に効くんかいな。と思う物もチラホラ。
思えば、超高価な商品が効くなら、セレブは、
みんな美白&ビューティフルなはずですよね。
今回は、美白について、科学的な視点から書い
てみたいと思います。
あなた本来の肌色は?
肌の白さって、先天的な要素が多いのではと思
います。普段、日に当たらない部分の本来の白
さ以上に肌を白くするのは、難しいのではない
でしょうか。
それから、人によって日焼けの度合いが違いま
すよね。黒くなる人と、赤くなるだけで、あま
り焼けない人。
メラニン色素の量には個人差があります。
日焼けだけでなく、加齢によってターンオーバ
ー周期が遅くなると色素の沈着で肌の色が濃く
見えたりします。
若いから平気!と無防備に日焼けを重ねている
と、後で「しまった~」と取り返しがつかな事
もあります。
絶対に日に当たらない部分の肌色と手や顔など
常時紫外線に晒される部分を比べてみると、色
白な人でも少し差があります。
基準は、日焼けしていない部分の色です
肌の滑らかさは天然もの?
色白に見える人って、たいてい肌が綺麗です。
キメ細かく、モチモチしている。
よく、元々色白で肌が綺麗な人は、スッピン美
人といいますけど、確かに、そういう人は、薄
化粧が多い気がします。
肌本来の姿が整っていると、上塗りしなくても
平気みたいですね。
元々肌が綺麗な人はイイな。と思われがちです
けど、みなさんもアカチャンの時はスベスベで
モチもち肌だったはずです。
様々な後天的な理由で、スッピンでも平気か、
化粧なしでは無理になるか。その境目は、どの
タイミングで肌の調子が悪くなったのかを思い
出してみるとヒントがあるかもしれません。
日本人の肌は元々美しい
実は、日本人女性は、ほとんどの方が海外の人
に比べて色白な範疇だと思います。
白人女性を近くで見ると、かなり肌がガサガサ
で、シミソバカスも多いですよね。
そんなことないと言うかもしれないけど、腕や
手、首回り、脚なんかみると、肌のコンディシ
ョンは、海外勢より段違い綺麗。
顔は、メイクで解らない人が多いけど、塗込む
量は、外人より少ないですよね。
海外に行ってみると感じるのが、日本人女性に
くらべて美容意識が低い?(無頓着?)
メイクの仕方、肌のケア共に日本の女の子の方
が絶対に上だと思います。
日本人は、白人のグループ?
日本人は、白人女性の白い肌に憧れます。
日本人でも東北地方など色白の人が多い地域も
あります。やはり、色白に憧れる様です。
日本人は、黄色人種ですが、実は欧米では、白
人の一種と認識されているそうす。
それはアフリカや中東、東南アジアに比べれば
圧倒的に白いということです。
現に、ある米国人は「日本人って、もっと黄色
いのかと思っていた。」と言います。
イエローモンキーは、蔑称ですからね・・・
日本人同士で見比べていると「もっとキレイに
なりたいな」と思っている女性でも、海外に出
てみると、日本女性は色白なほうです。
実は意外なことに、白人も黒人もベースは、
みんなイエローなんです。
白人は、正確には赤みがかった白。白じゃなく
てピンクが近い白です。
色が白いと、紫外線に弱いのでシミソバカスが
が凄いです。知り合いの、そこそこ金持ちの白
人女性も、半端ない高額な化粧品を使っていて
もフツ~の日本女子の勝ちです。
「私、地黒で~」と言う日本人女子でも、肌質
は、海外に比べれば綺麗だと思います。
日本人女性は、もっと自信を持って欲しいな。
と、僕は思います。
なぜ日本人の肌が綺麗に見えるか
白人の場合、メラニン色素が少ないため、皮膚
のダメージが大きい。それがシミそばかす。そ
して、肌の表面が劣化するのも早い。
白人系のお婆ちゃんと、日本人のお婆ちゃんを
比べれば一目瞭然ですよね。海外では、しわく
ちゃレベルがハンパないです。
日本人は、黄色人種なので、メラニンの量は、
白人よりちょいと多い。
これが、ほどよく皮膚を守っています。
日本列島は、南北に長いので、メラニンの量に
も地域差が出てきます。それで、北に行くほど
色白になる。日焼けすれば、黒くはなるけど、
その色合いも北国では少な目です。
それから、日本では古来から色白が良いとされ
てきたので、昔から夏場の強い日差しを和らげ
る工夫が根付いています。
そして、四季の恩恵で肌に優しい日本の風土、
極め付けは、風呂文化に代表される綺麗好きな
性格が、日本人の肌が綺麗に見える根本にある
のかもしれませんね。
奥が深い肌色のヒミツ
では、肌色のヒミツにせまりましょう。
その前に、肌そのもには色は、ありません。
おっと、いきなりイミフな発言です。
でも、その通り。私達人間を含め、あらゆる物
質に「色」は、ついていません。
「色」は、光の反射です。
光がなければ、私たちの姿は、現れません。
いえ、光が無いと見ることができないのです。
どんなに綺麗にメイクしても、暗闇ではわかり
ません。太陽光や照明などの「光」が必要なの
です。
人間の目は、瞳孔から入ってきた「光」の波長
を脳に伝えます。見ている「映像」が、そのま
ま伝わっているわけでありません。
人間の場合、0.39~0.77マイクロメートルの
波長を捉えることが出来ます。
これを可視光線といいます(見える範囲の光)
あなたに私の姿が見えるということは、可視光
線の範囲内で、私が反射させた「光」を目のセ
ンサーが捉えて脳がイメージを合成していると
いうことです。
これが見えるということです。
色って何?色が見える仕組み
なんか理科の授業っぽくてイヤですよね。
もうちょっと我慢してください。
もうすぐ「あっ」と思うことが出てきます。
ポイントは「見えるとは、光を反射していると
いうこと」
物体を見るためには「光」が必要なのはわかり
ました。次は「色」についてです。
「美」に「色」は、欠かせないですね。
見える光には、三つの色があります。光の三原
色ですね。人間の目にある光を感じる細胞が波
長別に脳に伝えます。
赤(R)(L錐体)長波長を感じる細胞
緑(G)(M錐体)中波長を感じる細胞
青(B)(S錐体)短波長を感じる細胞
鳥は4色(紫外線)が見えているそうです。
しかし「光」そのものには「色」がついていま
せん。
目には、それぞれの光の波長を感じる細胞があ
って、感知した情報を元にして脳が色をつけて
います。
細胞が感知しているのは光の一種「電磁波」
その波長の長さによって色が生まれます。
白く見えるとは、全部反射している
物体の性質で、それぞれの波長を吸収したり反
射させたりします。
反射した光を捉えて「色」になります。
その組み合わせで様々な色が生まれます。
赤+緑で「黄色く見える光」
赤+青で「ピンクに見える光」
緑+青で「水色に見える光」
全部合わせると「白い光」になります。
リンゴが赤く見えるのは、青と緑を吸収して赤
を反射しているから。
バナナが黄色に見えるのは、青を吸収して赤と
緑を反射している。
紙が白く見えるのは、全部の色を反射している
からなのです(乱反射)
黒は、逆に全部を吸収しています(厳密には微
妙に反射しているけど)
「それじゃ色白な人は、乱反射しているんだ」
よく気が付きました。その通りです。
いよいよ「美」につながる話へ入ります。
肌の色のヒミツ
人種や人によって肌の色が違いますよね。
それから、体調や体質でも変化します。ほんの
りピンクがかっていたりとか青白いとか。
肌の色は、どうやって視覚的に認識されるので
しょうか。人間にある色をつくり出す要素を見
ていきましょう。
●メラニン色素、淡色系と黒色系があります
●血液のヘモグロビン、誰もがわかる赤ですね
●皮下脂肪、白人でも黒人でも脂肪は黄色。
●水分、これ自体に色はないですが重要!
その他、血中二酸化炭素の量や、毛細血管の血
流、皮膚の厚さなど色々あります。
肌のベース色は黄色です。これは、皮下脂肪の
色で、カロテンが関係しています。緑黄色野菜
に多くふくまれてりいるやつですね。
皮膚を形成している細胞そのものは半透明で色
はありません。皮膚の表皮部分にあるメラニン
の量で反射量が変化します。
白人は、メラニンが少ないので全ての波長の
「光」が深く浸透して、ほぼ反射します。
一番奥の血液で赤を反射。脂肪で黄色も反射。
その他も反射。多くの「色要素」を反射。
皮膚そのものに「色」は無いので、全部反射
して乱反射。(実際は、もっと複雑ですが)
全ての光の色が混じると白く見えます。
肌が色濃く見える原因
メラニンが濃いと、手前で吸収されてしまいま
す。反射しない分、濃く見えます。
そして奥まで届く赤い光は、反射して外に出る
前で、また吸収されます。
反射して出てくる光が少ないと濃く見えます。
黒い物が黒く見えるのは、光を吸収している。
反射させてないというコトです。
「白」は、乱反射と先ほど書いてあったのを覚
えていますか?
そういうことなんです。3種類のベースカラー
を出来るだけ多く反射させると、白い肌にみえ
てしまうのです。
素肌で、白く見せたいなら、まずは、メラニン
を少なくするのが美白の第一歩のようです。
でも、それだけではまだ足りません。乱反射の
材料になっているのは、何でしょうか?
それは、「水分」です。そう、皮膚の水分がカ
ギを握っています。
乱反射でキラキラ瑞々しい肌に
水の分子が、光をランダムに乱れ撃ち。
保水力を高めると綺麗に見えるとは、あながち
ウソじゃないんですね。
皮膚は、大きくわけて三層構造です。
●「表皮」ここ自体が4層です。一番上が角質
・最下層でメラニンが生成されます。
●「真皮」網の目状でコラーゲンと隙間を埋め
・るヒアルロン酸がある。水分を蓄えます。
●「皮下組織」ほとんど皮下脂肪。肌の基礎部
・分です。脂肪は、黄色く見えます。
潤いのある肌は、きめ細かく光を乱反射させま
す。すると艶やかな透明感のある肌の色になる
のです。
メラニン退治だけでなく、同時に保水をしない
と本当の美白にはならないのです。
まとめ
どうでしょうか。肌の色のヒミツがわかりまし
たか?
物体が見るためには「光」が必要。見えるとは
「光」の反射である。
色は、反射した光の波長を目が捉えて「脳が色
をつけている」
肌の色は、皮膚組織の光の反射具合に左右され
ている。
この仕組みがわかれば、内側から白く見せる
アプローチの重要性に気づくと思います。
表面的な方法で白く見せることも出来ますけど
出来るなら、内側から綺麗にしたいですね。
【色白美肌の三原則】
1.光を吸収するメラニンを増やさない。
2.乱反射させるため水分を蓄えましょう。
3.きめ細かい角質を維持しましょう。
次回の「美を科学する」では、光をコントロー
ルするメイク方法について書いてみたいと思い
ます。
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