男性モデルは、女性モデルより大変?男性の特徴と芸術表現。

天使

裸体をモチーフにした作品の多くは女性です。
そして美術モデルの大半は女性だといいます。
人体を学ぶ上で男性も描くのですが、作品とし
て描かれるのは女性が多い感じがします。

男性の在りのままを描く時、描く側にも、描か
れる側にも複雑な事情がありそうです。

今回は、男性の性差表現についてモデルの視点
から「男性モデルの本音」と「芸術的な見地」
から今回は、中性的男性ヌードモデルが自ら考
察してみます。

 

人体表現について、あくまで芸術的な見地で
書いています。遠回しでソフトな表現に努め
ておりますが、御不快を受ける可能性もある
ので、その際はご容赦ください。

 

男性が美術モデルをやりたくない理由

中性的なモデルとはいえ僕も一応、男性です。
当然、男性の気持ちは良く分かります。

美術モデルの大半は女性です。男性モデルは、
ごく少数です。なぜ、男性のモデルが少ないの
でしょうか。

芸術のために脱いでいるとはいえ生身の人間。
どんなに平気そうでも羞恥心はあります。
女性と違い、構造的に性器が見えちゃう男性に
とってマジマジと観察されるのは辛いです。

一般的に男性が、ヌードモデルをやりたくたく
ない理由、答えは簡単「アレ」です。
そう、男性
の大切なパーツの存在です。

結論から先に言うと、正にそこなんですね。

男性は、脱ぐと、アレが丸見えになってしまう

これです。

 

男子って、けっこう恥ずかしがり屋さん。

シャイな感じ

裸芸人とか、見せたい趣味の人など一部を除け
ば普通、あまり見せたくないところです。

男の人って、アレに関しては、案外デリケート
なんですよ。

アレの良し悪しを男は、意外と気にしている。

例えば、温泉とか銭湯などもは、タオルで隠し
て入るじゃないですか。その点、女性は、そう
いうところでは、堂々たるもの。
(覗き見したわけじゃないですよ~)

え~そうなの?と言うかもしれませんが堂々た
る男性は、自信ある人かオッチャン。あとお爺
ちゃんなんかも平気みたい。
年齢とともに大っぴらになるのかな。
ちょつとは、隠してよ!と言いたくなる。
(あまり見たくないです)

僕は、可能な限り隠します。そうしている人も
少なくないようです。隠すのは中高生~30代
半ばくらいが多いかな。

もっとも、他人のを見つめる事も、ジッと見ら
れるような事も滅多にありません。
(たまに視線を感じて警戒することも・・)
チラッと見る程度。そのあたりは、男性同士の
気遣いでしょうか。

 

男性のプライド

key

男か女の大きな違いは、生殖機能ですね。
動物の世界では、その機能の差が子孫繁栄や生
存にかかわります。

人間界では、そこまでじゃないけどアレのサイ
ズや形状なんかは、やっぱり比較対象。気にな
るのが本音ではないでしょうか。

「ちっちゃい」と言われたらショックです。

異性に対して「アソコ」の自信がアプローチの
積極性に大きく関係しているかもしれません。

どや?と、自慢できる(通常しないけど)くら
いの人は、なんとなく自信がある様な感じ。

男って負けず嫌いですし、プライドもあるから
弱点は見せたくないものです。それも、男とし
ての大切な部分だと、なおさらです。

モデルをしていると、たま~に若い女性のヒソ
ヒソ話しが聞こえます(休憩中です)
聞こえていない振りをして平然としてますが、
やはり、気になります。

どんな会話かって?
《~このモデルさんのアレ小学生みたい~》
グサッ・・・ふ~んどうせ。
《でも、白くて綺麗だし、可愛いよね》
ん~これは、褒められているのかどうか・・・

他にも、ギリシア彫刻みたいで、逆に遠慮なく
表現しやすいなんて意見もありました。

悪く言われたことは無いけど、包茎を褒められ
ても男としては、微妙な気持ちです。

 

美術モデルは、基本的に隠せない

cat

人体デッサンでは、特に指定がなければ基本的
にスッポンポンです。人体の構造を学ぶ又は、
描くので当然と言えば当然です。

日常生活では、身体的コンプレックスは隠せま
すけど、美術モデルをするとなると、全て白日
の下に(室内ですけど)晒されちゃう。

自信があろうが、なかろうが、モデルをしたら
見たまんま描かれちゃいます。

僕自身、モデルをする以前は描く側でした。
男性モデルを描いたのは数人しかいませんが、
心の中で(申し訳ない)と思いながら描いたの
を思い出します。

男性モデルの場合、ヌードになればアレがポロ
ン(僕の場合はピョコンかな)と丸見えになっ
てしまいます。

そこが、両者ともに恥ずかしいポイント。
見せる側は、ポーズに専念すると意識が動かな
いことに集中するので羞恥心は薄れますが、見
る側は、余裕があるほど興味津々に眺め描き出
します。

女性の場合、あの部分はポーズによるけど隠れ
てしまいます。知合いの女性モデルさんによる
と「その点では、男の方が大変そう」と言って
いました。
しかし、ポーズによっては、見えちゃう事もあ
るので、その時は少し恥ずかしいそうです。

僕も、デッサンに参加したことは何度もあるの
ですが、アンダーヘアの薄い女性モデルの性器
がチラ見えした時は思わずドキッとしてしまい
ました。

男女問わず、秘部を曝け出すというのは、恥ず
かしいものです。

美術モデルという特殊な仕事を引き受けた以上
全てを見られちゃうのは、男女共通です。
でも、構造上アレが見えにくい女性が、ちょっ
と羨ましい気がします。

それと、男性のアレは、激しく変化しなくても
温度差などで微妙に変化します。これはしょう
がない生理現象です。

僕なんか、どちらかというと緊張してギュ~ッ
と、萎縮しちゃうから恥ずかしいですよ。
そのうえ、色白で先端がクシュクシュッと尖っ
た包茎です。

そんな様子が丸見え。

男性なら分かると思うけど、女性には、なかな
か理解しにくいとこかもしれません。

 

男性の裸を表現する悩み

アットホームなデッサン会に参加している事が
多いので、セッションの後には、次の予定が無
ければ品評会(と、言うのかな)にも参加して
絵の出来栄えを見学しています。
自分を描いた作品を見るのは、ちょっと気恥ず
かしいけど、自分の表現(ポーズなど)を研究
するつもりで拝見しています。

短時間のポーズでは、やや大雑把な描き方なの
で気にならないのですが、じっくり時間をかけ
て精密にデッサンした場合・・・

隅々まで、キチンと描かれています。

当然と言えばそうなんですが、細部にわたって
生き写しのように描かれていると、ドキッとし
てしまいます。

しかし、何らかの形で出展する場合、特に男性
をモチーフにするとアレの表現に苦労します。

正直に見たまま描いていいのかどうか。

世界中の美術館にある古典芸術の作品には、忠
実に再現したものが少なくありません。
さて、それが現代でも通じるのか・・・

 

生身のカラダで性別を別けるもの

シルエット

クイズ。このシルエットは、女性でしょうか?
後程、実写ではなくデッサンで答えが出ます。

中性的で女顔の僕でも、生身の姿になれば誰で
も「あっ、男の子なんだ」と納得します。

視線が、顔からゆっくりと足元まで移動してい
けば、一見すると女性的なプロポーションなの
に一部に「アレッ?」みたいな感じ。

表面的な男女の違いを上げてみます。

① 芯となる骨格の違い

② 皮下脂肪のつき具合(量)

③ 胸(乳首)や外性器の形状

大きく分類するとこの3点。あれ、筋肉は?
そうですね、男性的に見える部分に筋肉質な見
た目がありますよね。でも、女性でもムキムキ
な人も居るし、男性でも華奢な人も居ます。
鍛え方によるけど、女性のアスリートは、男性
より若干皮下脂肪が多めになります。

骨格も骨盤の形状以外で、なで肩な女性的フォ
ルムの男性も居たりしますし、肩幅が広く男性
的な女性も居ます。

皮下脂肪は、男性より女性が厚く、男性の脂肪
は、内臓脂肪に溜まりやすいといいます。でも
僕みたいに女性の様に皮下脂肪の多い男性も居
ます。皮下脂肪は、肌質と密接な関係があるの
で、そうした男性の顔は女性的な感じです。

明らかに性差を別ける要素は③となります。

女性的な雰囲気の男性、または男性的な女性で
も、ノーマル(整形なし)なら③の形状が決定
的な性差として見て取れます。

裸の後姿が「女性かな?」と思っても、振り向
けば性差はハッキリしてしまいます。

 

中性的モデル。アレを描かなければ・・・

中性的なモデル・デッサン

デッサン・モデルは、女の子じゃないですよ

これは、デッサン途中の僕の姿です。
シルエットの正体は、中性的な男性でした。
胸がちょっと膨らんでいるから紛らわしい。
大切なところは、ちょっとアタリをとっている
だけ。まだ完全に描かれていません。
小さな突起が股間に薄らと描かれています。

中性的なモデルだと「んっ?」て感じですね。
このデッサンだと、スレンダーな女の子かな?
みたい。

僕の場合、けっこうハト胸で、しかも少しだけ
膨らみがあるので紛らわしいです。乳首もちょ
っと普通の男性よりは大き目かな。
その上、身体のラインも、皮下脂肪のせいで、
細身だけど、やや丸みを帯びています。

これは、珍しい反則技かもしれませんが、男女
の境目が分かりにくい例です。

僕の場合は、前述の③意外に、皮下脂肪のつき
方が女性寄りです。お医者さんにも、体脂肪率
が女性的と言われた事があります。
それで、ちょっと意識的に身体をつくると女性
的なフォルムを表現できてしまいます。
だから、もし股間を描かなければ、胸の小さな
少女風なテイストになっちゃいます。

アレがいかに性差を別けるかが分かります。

しかし、普通の男性でアレを描かなければ、そ
れはそれで妙なものです。中途半端になってし
まいます。

 

男性のアレは、描くべきか

デッサンでは通常見たままに忠実に描きます。

モデルの立場からすると、ホント嫌になるほど
写実的に、見たままを描かれています。

ここまで精密に性器を他人に観察されることは
滅多にあることではありません。
可愛らしい僕の性器も、リアルに描写されてい
ます。

逆に、他人の性器をここまでじっくり拝める場
面というのもデッサン以外にはありません。

モデルとして、金を貰って脱いでいるので、遠
慮なく見て描いてほしいと思っています。

なので、みたまま性器もちゃんと描いてもらっ
て結構です。

デッサンのスケッチは、個人的な創作物になる
ので公には問題になりません。デッサン会など
の限られた場所で芸術目的でモデルが脱ぐのも
問題はありません。

しかし、これを公共の場に持ち出す場合、様々
な制約がかけられる事があります。

この線引きは、ヒジョーに難しい。
かのダビデ像にパンツを履かせた方がイイなど
と言う方々も居るくらいです。
股間の表現部分に何か隠す物をつけたり或いは
描く段階で巧みに隠したり・・・

ハッキリ言うと、そういう風に思う人の方が、
よっぽど卑猥な発想していると思います。
えっ、違います?ふ~ん、それなら隠す必要無
いですよね。

「彫刻や絵でしょ、美術作品じゃないですか」

肉体とは、自然の賜物です。宗教的に言うと神
の作りたもうたもの。卑しいですか?

私見だけど、古代ギリシアやローマのほうが、
ある一神教が勢力を広げた現代よりも、健全で
自由で芸術的な気がします。

まあ、僕は争うのは嫌いなので、モデルから見
た意見として「絵や彫刻ならOK」です。

写真は、法的にも修整が必要です。

芸術かエロか。
それは「見る側」の問題です。
これ、実は本質なんですよね。

描かれる側は、ある意味「そのまま」なので、
受け身な立場でございます。自然についている
ものは致し方ありませんので、ご自由に描写し
てください。と、いう感じです。

 

まとめ

男性の美術モデルというと、賛否両論。
でも、過去の絵画や彫刻にあるように大事な存
在です。そして現代でも、人体表現を学ぶため
には必要な存在といえます。

美術モデルは、よく平気で・・・という意見を
目にするけど、けっして平気じゃないですよ。
僕は、中性的なので、一部だけじゃなく脱ぐこ
と自体に勇気がいります。それでも出来るのは
描き手さんの褒め言葉ですかね。

それと恥ずかしい思いで性器まで見せていても
熱意を持って描かれるのは、献身的な満足感も
あります。

男性も女性も、人の身体は、よくできた自然の
芸術作品。モデルとして脱ぐのは、自分という
作品を展示していると思う様にしています。

時代は巡るといいますが、これから古代ギリシ
アみたいになったら性器の芸術表現も自由にな
るかもしれませんね。

 

次回、ダビデ像について、僕をモチーフしにた
作品と比べながら、より深く中性的男性につい
て書いてみたいと思います。

ダビデ像は他にもあった。
中性的な不思議なダビデ像があるのをご存じで
しょうか。今回は、僕自身ダビデ像(絵)のモ
デルになってみました。

 

美術モデル奮闘記【目次】

 

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